「シャロン甘洋堂」のあゆみと、「銘菓シャロン」
昭和44年、独立当初の店舗
「黒石銘菓のお店 シャロン甘洋堂」の起こりは、今から半世紀ほど前にさかのぼります。
青森市の老舗和菓子店、「三浦甘精堂」で修行していた先代・洋三は、故郷黒石に、広く市民のみなさんに愛され、洋菓子を広めるきっかけになるようなお店を出したいと思い立ち、昭和44年（1969年）に独立しました。当初は、修行先の「甘精堂」から「甘」と「堂」の字を、自らの名、そして「洋菓子」から「洋」の字をとり、「甘洋堂」としてのスタートでした。
昭和52年、現在地に移転時の様子
当時は冷蔵機器が今ほど普及していなかったので、ケーキなどの生菓子は、常温でも日持ちのするバタークリームが主に用いられ、生クリームを使ったものはなかなか口にできませんでした。そこで、当店では、まだ珍しかった冷蔵ショーケースをいち早く導入し、黒石のみなさまに生クリームを使用した商品を提供できることとなりました。そんな中、あっさりとして食べやすい生クリームをふんだんに使い、洋菓子でありながら手で持って気軽に食べられる商品を開発。商品名を付けないまま販売を始めました。商品名がないにもかかわらず、大いに評判をよび、当時のお店の屋台骨を支える存在になっていったのです。
黒石市上町にあったお店は、10年もしないうちに現在地の前町に移転。併せて、店名が漢字だけでは和菓子のイメージが強いということで、ふと世界地図で目にしたヨーロッパの町の名をとり、「シャロン甘洋堂」とあらため、同時に、まだ名前がなかった洋菓子を、お店からの敬意を込めて「シャロン」と名づけました。ここに、今に至る「シャロン」ブランドの礎が築かれるのです。
気軽に食べられる洋菓子として人気を博す、「銘菓シャロン」
「銘菓シャロン」は、昭和59年（1984年）、第20回全国菓子大博覧会で内閣総理大臣賞を受賞。また、三笠宮寬仁親王殿下におかれましては、平成2年（1990年）おおわに国体の際に献上して以来、毎年のようにいらっしゃった八甲田山の春スキーで、よくお召し上がりいただきました。現在では、地元のみならず全国各地で広く愛されています。
黒石市から世界へ。モンドセレクションへの挑戦
津軽衆の魂、ねぷた祭り。ここ黒石でも、勇壮華麗なねぷた行列が夏の夜を練り歩く。
シャロン甘洋堂は、青森県のど真ん中、黒石市を地元として、この街の皆さんに育まれ、ここまでやってまいりました。黒石市は、黒石ねぷたや黒石よされのお囃子に彩られつつ、りんごやお米の生育とともに、季節と時代を歩んできた小さな町でございます。私どもシャロン甘洋堂は、この街に誕生し、この街の人々に支えられながら、今日までそのブランドを保ってまいりました。多くの地方都市同様、かつてのような活気に恵まれない黒石でございますが、私どもは、地元への恩返しの気持ちをこめて、食のオリンピックとも称される「モンドセレクション」など、海外の賞にも積極的にチャレンジし、地域の活性化につなげていけたら、と考えています。
「銘菓シャロン」「黒石シューロール」がモンドセレクション受賞
平成28年、モンドセレクション2016へ「黒石シューロール」を出品、おかげさまを持ちまして、銀賞を受賞することができました。また、シャロン甘洋堂の代表銘菓であります「銘菓シャロン」が平成29年・30年にモンドセレクションで連続して金賞を受賞、その後、平成31年から3年連続で最高金賞を受賞することができました。今後も、黒石の元気のため、世界に向けて果敢に挑戦し続けるシャロン甘洋堂でありたいと思います。
店舗の様子
